本サイトは2010年4月10日に開設し2012年秋に閉鎖したサイトです。「アイアムアヒーロー」映画化記念で期間限定公開中です。


サイト内の記事は連載当時に管理者個人の解釈で書かれたものであり、現在のストーリーとは矛盾していたり、一般的な解釈とは異なっている点があります。また現在の管理者自身の解釈とも異なっている点もありますが、手を入れず掲載しています。


現在はブログ「黒くないすべてのものはカラスではない」に内容を引き継いでいます。


アイアムアヒーローにまつわるエトセトラ

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 There're counter ZQNs
1話分のあらすじを約140文字で紹介。回の部分をクリックすると詳しい解説が表示されます(まだ一部)。
新UI版のあらすじのページをテスト中です(一部バグあり)

 ストーリー [ 略記号: Z:ゾンビ、 M【妄想K【回想 ]  1  2  3
01話 元漫画家、現アシスタントである主人公鈴木英雄が、自宅に戻り帰宅ダンスを踊るところから物語りが始まる。彼には複数の妄想症状があり、逃避的妄想の「後輩矢島」を話し相手にする一方、深夜には、彼が最も恐怖する異形幻視に襲われる。英雄は猟銃を所持しており、この銃は今後の物語で大きな役割を果たす。
02話 恐怖の夜が開け安堵する英雄。妄想矢島を話し相手に職場へと向かう。英雄は現在、漫画家松尾先生のアシスタントである。極度の人見知りで、チーフ三谷や他のアシとうまく会話のできない英雄は脳内妄想の世界に逃避する。だが、妄想に伴うひとり言を三谷が叱責する。アシを終え、英雄は恋人徹子の部屋に向かった。
03話 「てっこ」こと黒川徹子は、英雄の元アシ仲間であり現恋人である。再会のキスをし徹子の手作りおでんを肴に乾杯する二人。今日は彼女のネームが完成した日だった。だが徹子が、元彼氏であり、すでに漫画家デビューした中田コロリの話題を持ち出すと、英雄の気持ちは嫉妬で沈む。一方、徹子の酒癖の悪さも顔を出す。
04話 酒乱化した徹子を何とかなだめて寝かせた英雄は、徹子の傍らで自作品のネームに取り組む。目覚めた徹子の中田をほめる言葉に、再び憂鬱な気分となる英雄。だが、手に取って読んだ中田作品の面白さは認めざるを得ない。翌朝、徹子に起こされ、弁当を渡された英雄は、出かける前のセックスをせがんだ。
05話 英雄は万全の体制で超学館週刊ストリップ編集部に向かった。彼が半年間連載していた雑誌である。だが担当編集者カズは英雄のネームを全否定する。隣席で打ち合わせ中だった中田コロリが乱入し英雄のネームを絶賛するが、英雄は失意の中、超学館を後にした。公園で一人、てっこの弁当を食べる英雄。
06話 松尾先生の職場。例により、アシをしながら妄想にふける英雄と、そのひとり言を注意する三谷。職場からの帰路、英雄はタクシー事故を目撃する。被害者の女性が、首が折れたまま立ち去った。恐怖でパニック状態の英雄の部屋に、徹子が訪れた。徹子に慰撫され、抱きしめられてようやく英雄は落ち着きを取り戻す。
07話 再び松尾先生の職場。だが、(英雄と同じ)担当編集カズと連絡が取れないため、仕事は夕方、終了となった。時間の空いた英雄は、アシ仲間の「パッシー」に誘われた合コンに参加する。合コン途中に徹子から届いたメールに、英雄の気分は落ち込む。メールがまたも中田コロリのことに触れていたからだ。荒れる英雄。
08話 酔った勢いで徹子の部屋に向かった英雄を、小学生に腕を噛まれたという徹子が手料理で迎えた。落ち着きかけた英雄だが、徹子が再び中田の話を持ち出したことに激昂して暴言を吐いてしまう。傷ついた徹子は英雄に帰るよう促す。中田の話は、英雄に別の出版社を紹介してくれるという純粋な好意によるものであった。
09話 自室で、英雄K【連載を打ち切られ、アシとなるため松尾プロを訪れた英雄を、当時金髪の徹子が歓迎したこと。英雄のネームを評価しない担当カズに、徹子が抗議の電話をしようとしたこと。アシの帰路、徹子の部屋で始めて体を重ねた夜のこと】。英雄の謝罪メールに、徹子からの返信はない。
10話 急遽アシに呼び戻された英雄。女性アシのみーちゃんが休みの上、松尾先生の体調も異常。必死に原稿にペンを入れる英雄、三谷、名無しアシの三人。嫌っていた三谷に初めて連帯感を感じた英雄に、徹子から全面愛の返信が届く。高揚する英雄。明け方、原稿が完成した。バスタブに沈められたみーちゃんの死体。
11話 徹夜明け、ガンクラブの例会に出かける前に、一言謝罪しようと徹子の部屋に向かった英雄。街にはなぜか自衛隊車が行き交う。徹子の部屋から異臭が漂い、郵便受けから覗いた英雄の目に、ベッドに横たわる徹子の姿が映った。英雄が声をかけるとZ化した徹子が起き上がり、ドア越しに英雄に襲い掛かってきた。
12話 徹子Zは英雄の頭と腕を掴んだが、噛みつこうとはせず、代わりにドアの淵を激しく噛んだ。アパートの前を新聞配達のバイクが通り過ぎる。激しく噛むあまり、とうとう徹子Zの歯がボロボロと脱け落ちた。事態を飲み込めない英雄が救急車は呼ぼうと試みる。徹子Zの口から「ひでおくんだいすき」の言葉が漏れた。
13話 徹子Zは英雄の手に噛み付いたが、歯が抜けてるおかげで出血を免れた。徹子Zにつかまれたまま、ふと冷静に部屋内を見回した英雄の目に、徹子の遺書と、きちんと並べ直された自分の単行本が映る。アパート前にZ化した新聞配達員が戻ってきた。自衛隊ヘリの爆音。徹子の顔に帽子をかぶせてやる英雄。
14話 落ちた歯を包んだティッシュの残りの袋を徹子Zに噛ませた英雄。大家のお婆さんを噛み倒し、さらに英雄を襲おうとした新聞配達Zに徹子Zが立ち向かう。片手片足を失いながらも敵の上顎を外して撃退。助かった英雄は徹子の部屋に入り、これが妄想か現実かしばし悩む。テレビニュースに見入る英雄。そっとドアが開いた。
15話 這いながら戻ってきた徹子Zの小松菜を刻もうとするそぶりを見て、病院に連れて行こうとする英雄。だが、暴れる彼女の口から中田を賞賛する言葉を聞き、一瞬激昂する。矢島妄想を呼び出しても誤魔化せないほどの煩悶の末、「それ」は既に死んでるのだと自分を納得させ、徹子Zの首を包丁で切り落とした。
16話 呆然としつつも徹子の髪を梳かし、部屋を片付けた英雄が、警察に出頭しようと部屋を出ると、大家の死体が消えていた。振り向くと、Z化した大家が、隣室の男性を噛み倒したところだった。あわてて逃げ出す英雄を、老婆の大家Zが驚異的運動能力で追う。だが、噛みつこうとする寸前に車に跳ねられ、英雄は難を逃れた。
17話 猟銃を抱えZを避けながら派出所に向かう英雄。パッシーに電話し、彼の師匠がアシ全員を噛んだことを聞かされる。おぼろげながら噛まれることの危険性を認識する英雄。派出所もZに襲われていたため、近場の仕事場へと向かった。恐る恐るドアを開けると、三谷が松尾Zの頭に金属バットを叩きつけるところだった。
18話 過去の怨念もこめて松尾Zを叩き殺した三谷。台所には名無しアシの死体。英雄は何が起こっているのか尋ねるが、三谷もyou tubeなどで大雑把な状況を把握しているに過ぎない 。彼が二人を倒した動機は、むしろみーちゃんへの愛憎故であった。そのみーちゃんZが現れた。三谷は自ら決着をつけることを決意する。
19話 バスタブに沈められていたみーちゃんZは水ぶくれの異形と化していた 。Z特有の怪力で投げ飛ばされる三谷。しかし、その色情的性向ゆえに、彼女の中では攻撃欲より、むしろ男根への執着が卓越していた。そこにつけ込めた三谷の機転で、ついに彼女も倒される。だが三谷が味わったのは、強い喪失感であった。
20話 生き残ることを強く決意する三谷に主導され、都心から郊外に脱出すべく駅へと走り出した二人。名無しアシがZ化していなかったことに英雄は気づく。歩道橋の階段で、三谷が陥没少女Zに指を噛み切られた。死を覚悟し、英雄に真情を語る三谷。その頭を、墜落してきた飛行機の車輪が跳ね飛ばした 。
21話 三谷の指を噛み切った陥没少女Zに追われ、歩道橋を駆け下りた英雄は、爆発炎上する飛行機を横目に、次々に現れるZを交わしつつ、駅へとひた走った。沿道の家ではZに襲われる家族の悲鳴。踏み切りで老人Zの追撃から辛うじて逃れた英雄は、滑り込んできた電車に飛び乗った。
22話 電車に乗り込み落ち着きを取り戻した英雄は、朝からの出来事を懸命に理解しようとする。車内は一見平和に見えたが、車窓の入間基地ではZ化した兵士と逃げまどう兵士、そして銃声と爆発音。電車は踏切で人をはねても走り続ける。「電車もやばい」。前の車両のZ化したサラリーマンがドアをどんどんと叩く。
23話 前の車両から移動してきて乗客を襲うサラリーマンZに、背負い投げで挑んだみのもんた似の親父は、頭部を噛まれて自身もZ化し、サラリーマンZと共に乗客を襲い始める。いったんは銃に手をかけたものの、恐怖に負けた英雄は、みの似Zの前に、情けなくも土下座するかのようにうずくまってしまった。
24話 英雄の頭を踏み越えたみの似Zは、被害者を巻き添えにドアを突き破り転落していく。電車は「入門市」で停車し、転げ出すように英雄は、駅前のタクシーに駆け込んだ。だが同じタクシーに怪我をしたアベックと黒人米兵が同乗してくる。明らかな感染者を乗せたタクシーは米兵の指示で横田基地の病院へと向かった。
25話 車中で徐々に感染の兆候を見せ始めるアベック。タクシーは横田基地に着くが、これも感染の兆候を見せた黒人米兵は基地内に入ることを拒絶され、衛兵と口論の末、射殺される。再び走り出すタクシー。車中には運転手、逃げ出せない英雄、そして明らかにZ化したまま抱き合っているアベック。
26話 Z化したアベックは抱き合ったまま噛み合っていた。運転手の機転により、アベックは走行中のタクシーから振り落とさる。安心しかけた英雄だが、運転手も、孫に手を噛まれていたと聞かされる。Z化した運転手が、走行中のタクシー内で後部座席の英雄に襲いかかろうとするが、仕切り板が邪魔をし英雄に届かない。
27話 襲いかかる運転手Zの足がたまたまブレーキを踏み、激しくスピンしつつタクシーは急停車した。運転手Zの後頭部がフロントガラスを突き破り、英雄は難を逃れる。引火して燃え上がるタクシーの前に料金を置き、走り去る英雄の前に富士吉田市の遊園地があった。地下道に逃げ込んだ英雄は疲れ果てて座り込む。
28話 地下道で疲れて眠り込んだ英雄が、巨大蛾の幻覚に襲われ目覚めると、すでに時刻は夜8時だった。寒さに震えながら移動する途中、徹子の歯を取り落とし慌てて拾い直す。携帯もワンセグも通じず、迷った末、街方面は危険だと判断し、人気を避けて樹海へと足を踏み入れた英雄に、彼の最も恐怖する暗闇が迫る。
29話 迫り来る闇と、それよりも怖ろしい己が深夜の妄想への恐怖に怯え、樹海にうずくまる英雄。銃の装備を魔法陣形に配し、携帯画面の照明を頼りに、独り言と面白妄想で日の出までの時間を潰そうとする。だが携帯の電池が切れ、月は雲に隠れる。ついに真の闇に包まれた。迫り来る妄想の恐怖に襲われる英雄。
30話 月が隠れ暗闇となった樹海で、ついに深夜の妄想が始まる。M【樹海の陰から見え隠れする人影や魑魅魍魎たち。必死に理論武装し、まんこ数え唄を歌って妄想から逃がれようとする英雄。幻覚の中の地中の穴に挟まり、気を失いつつ「助けて」と伸ばした英雄の指先に、闇の中からそっと伸びた手が触れた。
31話 翌朝、明るい日差しに安堵し踊る英雄。だが掛けられた上着、片付けられた荷物に気づき不安に襲われる。上着の持ち主を捜すためだと樹海に分け入り、尿意に襲われ立ちション。突然、木陰から「ティッシュを貸してください」と声をかけられ驚愕する。現れたのは上着の持ち主、小柄な女子高生の比呂美だった。
32話 前夜K【女教師に噛まれた手の治療を終え、林間学校に戻った級友紗衣の場面から。可奈子の策略により「自殺者の写メを撮る」罰ゲームで深夜の樹海へと追い出された比呂美。彼から届いていたメールを読んで時間を潰すうち、遠くかすかに英雄の声が聞こえた。自殺志願者かもと樹海に足を踏み入れる比呂美 ≫詳しく
33話 深夜の樹海に安らぎを見出す比呂美。K【可奈子への悪戯計画を聞きながら、口止めされて耳を塞いだ自分への悔恨。ついにうずくまる英雄を発見するが、躊躇して座り込む。だが英雄の苦悩のつぶやきに心を動かされて立ち上がり、寝入った英雄の指先に触れた。翌朝、英雄に自殺をやめるよう説得を始める。
34話 しどろもどろにあり得ない話をする英雄に呆れ、頭でも打ったのかと心配になった比呂美は、英雄を病院へ案内しようとする。途中、目の良い比呂美は樹海の奥に首つり死体を発見した。腐乱死体にもまったく動じない比呂美は、可哀相だと紐を外そうとする。異状を察知した英雄の声に「え」と驚いて振り向く比呂美。
35話 首つりZの手がかかる寸前、鞄紐ごと比呂美を引き寄せた英雄は、勢い余り共に転倒する。誤解し逃げようとする比呂美の目にZの姿が映った。英雄は逃げるようにとせかすが、むしろ冷静に観察した比呂美は、そのリュックの家族写真をZに手渡した。安堵して座り込こむZの首が千切れ、比呂美の顔に血が飛び散る。
36話 目に入らぬよう血を拭き取ってくれる英雄に、「あの」と比呂美が尋ねかけた時、樹海の奥から何かが急接近してきた。可奈子の死体を引く紗衣Zだった。比呂美の手を引き走り出す英雄。紗衣と気づいた比呂美は「ともだちだから」と手を離すよう求める。迷いつつも手を離さぬ英雄。だが比呂美は靴が脱げ転倒する。
37話 倒れた比呂美に追いついた紗衣Zは、だが襲おうとはせず何かを訴えるように比呂美を見つめる。比呂美K【林間学校前日、靴を盗まれた比呂美。母を見舞うため傷心のまま早退した比呂美に紗衣が追いつく。音楽話から距離を縮めた二人は、共に踏切で虹を見上げた。ついに銃を構え紗衣Zに狙いを定める英雄。 ≫詳しく
38話 「何してんですか こんなのっ」と比呂美に銃身を抑えられ狙撃を諦めた英雄は、二人でその場から逃げ去ることにする。その直後、Z化した可奈子に投げられた比呂美の体が空を飛んだ。紗衣Zが可奈子Zを後ろから羽交い締めにした隙に、二人はその場を立ち去る。だが比呂美は「私が撃ちます」と英雄に告げた。
39話 紗衣Zと可奈子Zのもとに戻ろうと主張する比呂美。逡巡する英雄も「おじさんは、ヒーローなんでしょ」と迫られ、戻ることにする。ここでようやく自己紹介しあった二人は互いの名前の符合(「ヒーロー」)に気がつく。戻ると、そこは二体のZが解体し合う惨劇の場。目を背ける英雄と比呂美。だが、比呂美が一歩踏み出す。
40話 比呂美は縛った紗衣Zを引き、英雄と病院に向かう。だが紗衣の噛まれたいきさつを聞いた英雄は「病院も学校もヤバイ」と足を止めた。そのとき紗衣Zの口から漏れた言葉が比呂美の心を突き刺す。自分がイジメられていたと告げる比呂美。そのリストカットの跡を見た英雄は「私がやります」と言う比呂美に銃を渡した。 ≫詳しく
41話 英雄の即席銃教室が始まった。女子高生のコーチ役に少し調子に乗り鼻の下を伸ばす英雄。「っさいな」とつぶやく比呂美。試射の後、ついに比呂美は銃口を紗衣Zへ向けた。紗衣Zの漏らした「ママ」の声にためらいながらも、比呂美の指が引き金にかかったその時、樹海の中から何かが近づいてくる気配がした。
42話 英雄は危険を察し撃つのを制止するが、比呂美の指が攣ってしまう。引き金から指を抜こうと二人がもみ合う内に銃が暴発。弾は紗衣Zの頭部に命中した。呆然とする比呂美。樹海の中では医者Zや看護婦Z、患者Zの走る姿。放心状態の比呂美の手を引き逃げる英雄。樹海から腰の曲がった老婆Zが追いかけてきた。
43話 老婆Zの足の骨が疾走に耐えられずに折れ、英雄たちは辛うじて逃げ切る。樹海を抜けたところで二人は軽い口論となった。ミエを切った英雄の、自分の首を絞める発言に思わず吹き出す比呂美。車が通りがかった。二人は手を振り停めるが、窓から身を乗り出したヤンキー風の若者が二人に銃口を突きつける。
44話 若者は、同乗を懇願する比呂美にジャージを脱ぐことを要求。比呂美は渋々と従う。乗せるのは比呂美だけと言う若者に英雄は一瞬呆然とするが、事態を受け入れようとする。だが比呂美は乗ろうとしない。若者の腕に噛み跡を見つけた英雄。彼の銃をエアガンと見抜き、猟銃で若者達を退けた。樹海から多数のZが現れる。
45話 若者の車がZ達に襲われた。二人も一体のZに終われ、必死に逃走する。息を切らせた英雄の手を、今度は比呂美が励ましつつ引く。乗り捨てられた自転車を見つけた比呂美は、チャリパクでないかと逡巡する英雄を後ろに乗 せ走り出す。富士吉田市内の混乱と危機の中を走り抜けるうち、二人の気持ちは奇妙に高揚する。
46話 不穏な富士吉田市内を自転車で駆け抜け、疲れた二人は バス亭小屋で休憩を取る。比呂美は母親と「彼氏」に電話しようとするが通じない。対抗して徹子に電話しようとする英雄。比呂美のワンセグにテレビのニュースが写った。崩壊した官邸に代わり厚労省がゾンビ現象や対策を語るが、二人には状況が飲み込めない。
47話 通りがかった老夫婦が比呂美の裸足の右足を治療し長靴を貸してくれた。自らの無配慮を悔やむ英雄。「寒さと空気の薄さでウイルスが感染しない」という根拠のない噂を信じ、富士五合目を目指して登り始める群集。だが比呂美はデマと疑い、英雄を引き止めた。とりあえず神社にお参りする英雄と、付き合う比呂美。
48話 英雄は集団と一緒に富士五号目を目指す決意をした。ここまで5人「殺した」ことを自覚し落ちこむ英雄を、比呂美が励まし力づける。思わず涙ぐむ英雄。そのとき渋滞する群衆の中で、次々に悲鳴が上がった。群集の足元を這う赤ちゃんのZが、人々の足首を噛んだのだった。神木によじ登る数人の赤ちゃんZ
49話 赤ちゃんZを抱きかかえようとした婦人が噛まれた。集団を徐々にいらだちが支配していく。群衆を扇動するアジ親父。パニックを恐れ、二人が集団を脱出しようとした時、比呂美の後頭部に赤ちゃんZが掴みかかった。躊躇無く銃身で叩き落す英雄。さらに、行く手を阻む集団を排除するために、天に向け威嚇射撃した。
50話 威嚇射撃の甲斐も無く、群集の持つパワーは、二人を日常の世界に引き戻す。母に抱かられた幼児Z。アジ親父が扇動を続け、銃を持つ英雄に連帯を呼びかけた。彼の言葉の中に三谷と同じ思想を聞き、一瞬足を止める英雄。注目を浴びた英雄は舞い上がり、思わず群衆に語りかけようとするが、ツカみの一言でスベる。
51話 ついに群集内でゾンビ・スプロールが始まった。乳幼児Zに追われ、再び逃げ出す二人。車を拝借しようという比呂美と道徳的に躊躇する英雄のおなじみのやり取り。謎のヒゲおじさんが二人を車に乗せてくれた。車外では、逃げ惑う群集。アジ親父は老夫婦Zたちに襲われた。三人を乗せた車が神社を後にする。
52話 三人を乗せた車は、しがみつく乳幼児Zや通行人Zを交わしながら富士吉田市内を疾走。謎のおじさんはカメラマン荒木と名乗る。比呂美が首筋を拭くと、幸い傷口は噛み切られていない。英雄は喜ぶが、比呂美の心は沈む。車は「何か」を目指し富士五合目に向かうが、入口は自衛隊車により塞がれていた。
53話 銃痕と流血跡の残る無人の自衛隊車の脇をすり抜け、車は山道を登った。語り合う三人。五合目に到着した彼らの眼前に広がるのは、至るところから火の手と煙の立ち登る御殿場市街地だった。秩序の崩壊を予感しながらも、英雄のこぼした決意と空腹のない交ぜになった言葉に、比呂美は久しぶりに笑いを取り戻した。
54話 荒木の車でユーチューブの予言者の動画を観た後、三人は無人となった五合目山荘に入った。お土産と金剛杖を手に取る比呂美。久しぶりの食事とお酒で三人の会話は弾み、比呂美が素の表情を見せた。安全のため、荒木の車中で寝る三人。翌朝、英雄と荒木がトイレに出ている間に、車中で比呂美が発症した。
55話 いったん物語は三人からズームアウト。大阪でも感染が始まった。ミナミや新世界で通行人、警官が次々と襲われる。ネットの掲示板には各地の状況が書きこまれ、悲痛な惨劇がリアルタイムで報告される。大阪での感染は次々と広がり、混乱に乗じた殺人事件も起きた。街はパニックとなる。
56話 都心パンデミックから3日目となった5月6日。テレビや携帯、ネットはかろうじて繋がっているものの、感染は日本中で広がり続ける。高尾山、草津、京都清水寺など、各地の観光地で繰り広げられる惨劇。ネットではゾンビはZQNと名づけられ、憶測やデマ、救いを求める書き込みが続く。
57話 パンデミック1週間目の10日。掲示板の書込みも次第に閑散となる中、繰り返される「クルスの下に集まれ」の一文。ここで物語は英雄達に戻る。山中の道路を徐行する自動車。運転席に荒木、助手席に英雄。比呂美の姿は見えない。前方にZQNを発見した荒木は車を停める。後部座席に何かを縛った寝袋が載せられていた。
58話 二人の目的地は、複数が篭城中とネットに書かれていた「御殿場アウトレットモール」。そこに向かうには眼前のZQNを倒さねばならない。逡巡する英雄と、俺たちには猟銃とアレがあるからと鼓舞する荒木。英雄がためらいつつ「アレ」の入った寝袋を開けると、目を閉じ、わずかに血管の浮き出た比呂美の顔がのぞいた。
59話 目覚めた比呂美は手足に巻かれたガムテープに抵抗して暴れる。意識の強弱に応じて拡散し収縮する比呂美の瞳孔と血管。ZQNが向かってきた。「その化け物を起こせ」と叫ぶ荒木。英雄は、彼女の耳元で攻撃のトリガーとなる言葉をささやき拘束を解いた。静かに怒りをたたえた半ZQN状態の比呂美が立ち上がる。
60話 ZQNと対峙する比呂美。だが彼女の繰り出したネコパンチはまったく効かず、逆に投げ飛ばされてしまう。あわてて逃げ出す荒木と英雄。なお銃を撃てない英雄をZQNが追う。立ち上がり、英雄の危機を察した比呂美が駆け出した。ZQNの手が英雄の肩をつかんだその時、追いついた比呂美がZQNのアゴを引きちぎる。
61話 戦いの末、ZQNを斃した比呂美。だが彼女の混濁した意識の中では別の心象風景が展開していた。母娘二人の生活。その母が入院し一人家事をこなす比呂美。彼女の目にZQNは、そこに侵入してきた巨大なぬいぐるみと映っていた。何かの象徴であろう、襲い掛かってくるそのぬいぐるみに、彼女の思慕と憎しみが交錯する。
62話 執拗にZQNの死体を苛む比呂美の耳に、英雄がくるりのカレーの歌を聴かせた。脳裏をよぎる学校の想い出。その中に紗衣の姿は無い。比呂美の心が和らぎ沈むと同時にZQN症状も収まった。車は再び西へ。生理で汚れた比呂美の下着が見え、目を逸らす英雄。沿道にコンビニを発見し、英雄は恐る恐る足を踏み入れた。
63話 幸いコンビニは無人で、英雄はカゴ一杯の商品を運びだした。車を停め荒木が仮眠する間、英雄は比呂美の世話をする。汚れた下着を脱がせ、比呂美を清める英雄。最初は抵抗した比呂美も、やがて成人用おむつを履かせるにまかせた。箸移しに食事をさせる英雄。だが比呂美の口から出た名前は、英雄のものではなかった。
64話 荒木が目覚め、車は再びアウトレットモールを目指す。車中、比呂美や銃の扱いをめぐって荒木と英雄との間に生まれる軽い齟齬。割り切った荒木の考えに違和感をおぼえる英雄。英雄の手を無言の比呂美の手が握った。街道に首吊り自殺体や、リンチされたとおぼしき死体。モールに近づくにつれ緊迫感が増す。
65話 リンチ死体を横目に車はモールに到着。ブランド店を見た比呂美の発した意外な言葉。物音の方へと進めた車に、突然電動ガンの洗礼が浴びせられた。登場したのは覆面をした三人組。猟銃を構えて対峙する英雄。英雄の銃が本物と知り、三人組は英雄たちを梯子で屋上へと導いた。一人が覆面を脱ぐと、顔を見せたのは女。
66話 顔を見せたのは藪という名の女性。銃を持つおかげでモール街屋上への「入国」を許された三人。比呂美が感染していることに気づいた藪は、なぜか比呂美の腕を拘束していたガムテープを取り去る。権力志向の強そうなリーダー伊浦による入国審査が始まった。まず荒木がZQN判別テストを通過。次に比呂美が指名された。
67話 判別テストのしりとりで微妙な答えを出してしまった比呂美。周りの反応に、羞恥と屈辱から発症しかかるが、英雄(真司)に手を握られることにより、落ち着きを取り戻す。強圧的な体制に薄々気づきつつも、荒木と英雄は屋上の王国に加わることとなった。支給されたテントを張り、英雄は発症者比呂美と並んで眠りについた。
68話 妄想まじりの悪夢にうなされた英雄が、2時間あまりの睡眠から目覚めると、すでに陽はとっぷりと落ちていた。夕食の時間を告げに来た藪が、見張りの目を盗みながら英雄と会話する。比呂美の特異な発症の様子から、彼女の存在こそが人類の希望になるかもしれないと思った藪は英雄に告げた「この子を絶対守るよ」
69話 藪のフォローにより比呂美は集会に出ずに済み、一人テントに留まった。昼の部、夜の部の入れ替わる18時の定例集会。伊浦グループの一人、「サンゴ」が登場した。サンゴは伊浦より暴君で、一人の老人に、即決裁判で「国家反逆罪」による死刑を宣告する。老人はハシゴから地表へと振り落とされた。
70話 転落した老人は闇の中、臭いをかぎつけてきたZQNたちに襲われた。その中の、伊浦が「アイツ」と呼び警戒する長身のZQN。伊浦にボウガンで撃たれるや、屋上に達するほどの驚異的なジャンプ力を発揮し、あやうく伊浦をつかもうとした。一方英雄は、藪グループの「ブライ」に、屋上の勢力図について聞かされる。
71話 屋上のテント村の夜。住人は声をひそめ囁き交わす。月が翳るとあたりは漆黒の闇。英雄は、いまだ意識のおぼろな比呂美の元に戻った。闇の中、二人並んで座りながら、英雄はこの王国で、ただ一人銃を持つことの重みと自分の役割について思い悩む。突然藪が現れ、比呂美の傍ら、酔った姿態を英雄に見せた。
72話 酒乱のように大声で騒ぐ藪を抑えようとした英雄が、右手を強く噛まれた。噛み跡を見て徹子を思い出す英雄。酔った藪はさらに手すりの上を平均台のように歩いた末、足を踏み外す。危機一髪で救い上げた英雄に対して藪は素直になり、英雄に抱かれろという命令を伊浦たちに受けて来たことを告白した。
73話 藪の告白は続く。英雄の持つ銃を狙う伊浦たちが、藪に肉体で接待することを指示したのだった。従わなければ下に落とされる立場の藪には、抱かれたことの証拠が必要だった。地上のZQNの中には、犬の鎖を持つZQNも見える。英雄は暗闇で自慰をし、「証拠」を手渡した。英雄の背後に、無表情に立つ比呂美の姿があった。
74話 夜が明け、眼前に富士山を望むショッピングモール。地上のZQNの行動を観察し、その習性をさぐる支配者伊浦。伊浦はサンゴと、英雄の銃を奪う策略をめぐらす。英雄が藪を抱いたと思い込んだブライは、起きてきた英雄によそよそしい態度を取った。英雄に庇われた藪は、無言で英雄と一緒に会議に向かった。
75話 伊浦・サンゴたち支配者グループ3人と藪・ブライたちの強襲グループ3人、そして英雄の参加する"統合幕僚会議"が始まった。交渉の末、強襲グループに銃を持つ英雄も参加し、食料確保に向かうことで話がまとまる。しかし、突如背後から支配者グループが英雄を羽交い絞めにし、銃を強奪。藪の首筋にも包丁の刃が迫る。
76話 伊浦から主導権を奪ったサンゴたちは、英雄の銃を確保し、藪を人質にしてブライたち強襲グループを従わせた。比呂美の元に弾があるだろうと目星をつけたサンゴに、英雄は感染の事実を告げたが、サンゴはあえて対決の途を選ぶ。半覚醒状態の比呂美の目に、サンゴたちが異形の姿として写った。比呂美が猛り始める。
77話 比呂美を生かすこと主張する伊浦に、サンゴは攻撃をけしかける。比呂美は、英雄を羽交い絞めにしていたプロレス男の手足をへし折り倒した。そして英雄に、あの懐かしい言葉をかける。そのとき伊浦のボウガンから放たれた小釘が比呂美の眉の上に命中。ゆっくりと倒れ伏す比呂美。散弾を発見したサンゴが凱歌を上げる。
78話 倒れた比呂美を懸命に治療する藪。二人を体で護りながら、英雄は銃を向けたサンゴを説得した。新君主となって伊浦も従わせたサンゴに、英雄はわざと危険な銃の撃ち方を指導する。手錠で繋がれた藪と比呂美を残し、サンゴは食料奪還とZQN制圧のため、一行を従え地上に降りた。英雄に与えられた武器はトンカチ一丁。
79話 伊浦・ブライ・黒沢(覆面男その2)・英雄の4人の中心に、銃を構えたサンゴという布陣で、一向はついにフードコートに分け入る。表側の食料が腐っていたため奥の食料庫へと進むと、暗闇から1体のZQNが襲い掛かってきた。サンゴはその頭部を撃ち抜き射殺。一行は沸くが、物陰から銃声を聞きつけた数体のZQNが現れた。
80話 ヒタヒタと迫るZQNの足音。元モール従業員黒沢の言葉を頼りに、一行は奥の食料庫へと逃げた。ハードボイルドな台詞を応酬するサンゴとブライが食料を発見。しかし唯一出口を知る黒沢が冷蔵室に潜んでいたZQNに襲われる。ブライは黒沢ごと冷凍庫のドアを閉めた。外では、ついに陸上選手ZQNが屋根の上に着地した。
81話 屋上では藪の看護と診察が続く。病院に連れて行くことを決意し、比呂美を背負った藪。骨折で動けない目白はボーガンで脅して止めようとする。藪の懇親の説得と真実の言葉が目白の心を動かした。その時、陸上選手ZQNが藪の目の前に迫ってくる。ZQNの注意を引き付け、犠牲になる目白を横目に藪はその場を去った。
82話 ZQNが目白の頭に噛み付いている隙に、藪は比呂美を背負いハシゴを降りる。負われた比呂美の、おかあさんという呟き。地上に降りた藪は駐車場を目指して進む。陸上選手ZQNは屋上テント村に侵入しジャージ娘を襲った。逃げる荒木。フードコート内では、彷徨うZQNの手にサンゴの生首があった。息を潜めている英雄。
83話 シンク下収納庫の中にこもり現実逃避する英雄に、生き残ったブライが声をかけた。ブライの共闘して戦おうという提案に英雄も覚悟を固め、二人は本名を名乗りあう。ブライこと村井正和の提案は、彼が電動ガンで陽動役をつとめ、その間に英雄がサンゴの死体から銃と弾を回収するという作戦。村井はホールへと走り出した。
84話 闇の中、英雄は無人の通路を進み、サンゴの首無し死体から銃と弾を回収。伊浦の野球メットを発見して装着した英雄に、村井の電動ガンの音が聞こえた。明るいホールへ向かうと、村井をめがけ走る三体のZQNの姿。一瞬動転したものの冷静に銃身を構えた英雄の初弾が、村井に襲い掛かる寸前のZQNの頭を吹き飛ばした。
85話 もう一体のZQNの頭を撃った英雄は、訓練された手順で素早く次弾を充填しさらに二人のZQNを撃ち倒す。しかし最後のZQNが撃たれる寸前に見せた意外な笑顔に、英雄の心は動揺した。ホールから外に出た英雄を村井が絶賛する。二人は屋根に登ることにするが、上へのハシゴは、ぐにゃりと曲げられ地面に横たわっていた。
86話 藪は比呂美を背負い陰伝いに駐車場を目指す。藪の気配を察しかけたZQNは、幸い銃声の方へ向きを変えた。屋上では陸上ZQNがジャージ娘を砲丸投げ。隣の棟への渡り梯子を外され、愕然とする荒木を尻目に、ZQNは隣の棟へと大跳躍した。危うく難を逃れた荒木。地上では銃を撃つ英雄たちに大勢のZQNが迫ってきた。
87話 退路の限られる橋へジリジリ戦略的後退を強いられつつ狙撃を続ける二人。ZQNの中に残る人間性、健常者との連続性が、狙撃の反作用として英雄を苦しめる。駐車場に迫る藪の足首をサンゴに処刑された老人ZQNの手が掴んだ。守ってやれなかったジャージ娘ZQNを横目に老人ZQNを引きずりながら藪は駐車場へと進む。
88話 老人Zを非常口のドアではさみ、倒した藪。その割れた頭に蒼ざめるが、ジャージ娘Zの接近に気づき非常階段を登る。ようやくたどり着いた屋上駐車場に伊浦が待ち構えていた。異様な行動と制御できない感情を見せる伊浦。ZQN発症だった。比呂美を背負った藪と、藪の車の間に伊浦Z。背後の階段にはジャージ娘Z
89話 懸命に理性を保ち、藪とコミュニケーションを図ろうとした伊浦も、幼児退行を起こした副人格に乗っ取られ、自らの眼球をえぐった。その隙に車に駆け寄る藪。しかし乗り込もうとしたとき、気配を察した伊浦が迫ってきた。地上では、切れ目なく襲ってくるZQNに村井(ブライ)がついに弱音を吐き、銃を持つ英雄の握力も限界に近づく。
90話 伊浦が襲おうとした寸前、背中の比呂美が伊浦の顎をちぎり、屋上から蹴落とした。車に乗り込んだ藪は、比呂美を抱えた苦しい体勢の運転を強いられながらもモールの外へと出たが、英雄の銃声を聞きつけUターン。橋では、弾切れとなった村井が別れを告げ欄干から飛び降りた。英雄は呆然と残り少ない弾を詰めた。
91話 かろうじて迫るZQNを狙撃したものの、英雄は村井飛び降りのショックで次弾の装填もままならない。なかば投げやりに英雄が運命を受け入れかけた時、前方からクラクションが響いた。慌てて銃を構えなおす英雄。クラクションの主は藪と比呂美の乗るマーチだった。ZQNを跳ね飛ばしながら到着した藪が英雄に「乗れ」と叫ぶ。
92話 銃を抱えて後部座席に飛び込んだ英雄。しかしすぐに反対側のドアを開け、村井の残した形見を拾い上げる。英雄と比呂美を乗せ、藪の運転するマーチはついにモールを後にした。大勢のZQNを撃ち殺したことを悔恨する英雄を、藪はかつての比呂美と同じ台詞で慰め、自分の本名が小田つぐみだと告げた。
93話 三人が去った後、わずかに残ったZQNがモールを彷徨う。橋から飛び降り自殺した村井は川に浮かび、黒沢は厨房でZQNと化していた。駐車場ではジャージ娘ZQNにより伊浦が絶命させられる。屋上のテントでは荒木と少年が生き残っていた。荒木は少年を生き残らせるため、自ら囮となり陸上ZQNを巻き込んで焼身自殺した。
94話 舞台は台湾。藪たちの脱出した11日から10日さかのぼる5月1日。都心パンデミックの2日前。取材名目で新人女性漫画家と不倫旅行に来ていたのは担当編集カズ。平穏に見える台湾だが、女性漫画家は夜市で「変な子供に」足をかまれ、夜、ホテルでカズと見るテレビニュースは朝鮮軍事境界線での大量死亡事件を報じた。
95話 翌5月2日の台湾。カズと「カオリ」はホテルのカフェで朝食をとる。ロビーのPCに映し出される朝鮮軍事境界線での地雷爆発や脱北ZQNを銃撃する韓国兵の動画。異状を感じながらも地下鉄で九?観光へと向かう二人。駅を出たところで白タクの運転手に客引きされる。足のケガを気遣うカズに「大丈夫」と答えるカオリ。
96話 カミカゼ白タクドライバーの運転に肝を冷やしながら九?に到着した二人は、軽口を交わしあい基山街・豎崎路を散策。茶坊の座敷に上がり食事を取った。お茶を飲みつつカオリが妊娠を告知する。激しく動揺したカズがトイレで気を鎮めて戻ると、カオリが変貌していた。正拳を見舞ったカズにカオリZQNが対峙する。
97話 腹部を足蹴にされたカオリの言葉にカズは動揺し、店を飛び出す。基山街を駆け抜けバス停に戻った時、追ってきたカオリはバスの下敷きになった。白タクに乗りホテルに帰ったカズ。翌5月3日、カズも発症する。乱れていく筆致で記されたメモには、カオリへの謝罪と、英雄の新連載を決める言葉が遺されていた。
98話 舞台は再び御殿場市へ。車を走らせ病院を見つけた藪が、後部座席でまどろんでいた英雄を起こす。藪は看護師だった。手錠で繋がれた二人を車に残し、英雄が病院の様子を伺いに出る。だが英雄の立てた物音に何人ものZQNが入口に向かって来た。あわてて引き返した英雄を助手席に乗せ、藪の車は急発進した。
99話 大病院には見切りをつけ個人病院を探そうと、車は小田原方面を目指し山中を進んだ。銃を持ってきたいきさつなどを話しつつ英雄と藪は少しずつお互いの性格を理解する。藪が車を急停車させた。電気のついた自販機を見つけたが二人とも硬貨が無い。ようやく500円玉を見つけ出した二人は歓喜して手を打ち合わせた。
100話 藪は自販機のペットボトル水で比呂美の傷を洗い、口に含ませた。比呂美の顔が和らぐ。英雄と藪も水を堪能し、カーナビで現在位置を確認した。ラジオとテレビは雑音のみ。藪は行き先の決定を英雄にゆだねた。藪が埼玉県久喜市の出身であること、そして比呂美との約束を果たすため、英雄は東京方面行きを決断する。
101話 車を東京に向け、尿意を抑えながら山中を走る藪。道路わきには焼け焦げた事故車と死体。峠近くにドライブンインがあった。店の脇の無人野菜売り場を見つけ意気上がる英雄。藪は、酷薄な行為に麻痺していく英雄の態度に違和感を示す。藪を車に待機させ車を降りた英雄が、銃を構え、店の様子を伺う。
102話 藪が合図のクラクションを鳴らし、英雄が銃を身構える。水音、風音。静寂の中で葛藤を呼び起こす英雄。イヤマフラーのつけ忘れに気づいて鞄から取り出している隙に、店内から両目が割り箸で潰れた老店主ZQNが表れた。藪が慌ててクラクションで引きつけ、英雄が連射で倒す。店主の背中の噛み跡を見て警戒する二人。
103話 危険と判断した藪は撤収を主張するが、英雄は食料とトイレ確保が「男の役目」と見栄を切る。店前の無人野菜売り場はほとんど腐っていた。銃を構え慎重に店内に入る英雄。客席は無人。壁のカレンダーには二日後の5月13日に「出産予定日」の書込み。奥で物音がした。つっかえ棒をしたトイレに閉じ込められた何者かの気配。
104話 トイレに向かってZQN判別法の「しりとり」を試す英雄。帰ってきたのは明らかな感染者のうめき声。ドアを2発狙撃すると、突き破って出てきたのは妊婦ZQN。英雄はさらに頭部を2発狙撃して倒した。妊婦ZQNの股間から目を見開いた赤ちゃんの顔がのぞく。そして倒したはずの妊婦ZQNがブリッジ歩きで迫ってきた。
105話 子を守ろうとする執念か、瀕死の妊婦ZQNが動転する英雄を蹴倒した。股間から発症した赤ちゃんが首を伸ばし英雄の足を噛もうする。すんでのところで英雄の撃った弾が足を吹き飛ばすと、母親ZQNは赤ちゃんを包むように息絶えた。英雄は土産物コーナーの食料で漁り、藪の元に戻った。車は再び東へと走り出す。
106話 車は乙女トンネルに入り照明の中を走る。藪に促された英雄は、店内での出来事や心の葛藤を吐き出した。トンネルを抜け、ついに尿意に耐えられなくなった藪が車を停める。近くの納屋で見つけた杵とノミを使い、英雄が藪と比呂美を繋いだ手錠を切断。しかし時すでに遅く、藪のGパンから地面へと尿が広がっていた。
107話 尿溜まりに座り込んだまま赤面し煙草を吸う藪。英雄は比呂美を後部シートに寝かせた。Gパンと下着を脱いだ藪は、英雄の自意識の強さに焦れ、下半身裸のまま尿を吸ったGパンを振り回して英雄を追う。じゃれ合うような二人を、車内で目覚めた比呂美が見た。
108話 目覚めた比呂美の目に二人はまだ異形の姿として映っていたが、脳裏に少しずつ現実の記憶が甦ってくる。額の激痛に、比呂美は打ち込まれたままの釘を触った。再び出血が始まる。それを見た二人は比呂美の腕を拘束し病院に行く相談をする。カーナビで検索したのは動物病院。
109話 車を飛ばして芦ノ湖の動物病院に到着した一行。英雄と藪が車を降りた。残された比呂美は拘束から腕を抜き、頭の釘をいじって出血が続く。銃を構えた英雄を先に、二人は慎重に院内を進んだ。治療室に手術道具や薬、麻酔を見つけた藪は比呂美の手術を決断する。そのとき奥から物音が聞こえた。
110話 奥の部屋に入ると、物音の正体はオリの中に閉じ込められたZQNの生首だった。首だけのZQNがまだ生きて動いていたのだった。英雄は動転しつつ、自らが首を切り落とした徹子のことを思い出す。藪はここで手術をすることを決断した。英雄が車に残された比呂美を背負い、病院に戻った。
111話 大人しく動物用の手術台に横たわった比呂美に藪が麻酔を施す。英雄が見張りに立ち、藪は慎重に、緊張した手で釘抜きとペンチを使う。釘は無事に抜けた。場面は変わり、藪の故郷の埼玉県久喜市。そこではクルスとおぼしき男が「久喜幕府」を打ち立てていた。
112話 藪が比呂美の手術をしている頃、久喜市に住むひきこもりの江崎崇は、バリケードを築いた部屋で一人ネットの掲示板に向かっていた。ZQN禍の理由を探ったり助けを求める書き込みが続く中、唐突にクルス代理を名乗る者が同志を募る。呼応する各地の書き込みの中から江崎一人にレスが返された。
113話 5月11日月曜日の夜を迎えた。最後のお菓子を食べつくした崇は、ネットの書き込みに釣られて手首を切りそうになる。生きた証が欲しいと煩悶する崇。バリケードの外では母ZQNがドアを叩き続ける。そのとき崇の家の前に、3台の自転車に分乗した四人の一行が到着した。そのうちの一人が来栖だった。
114話 厳重に防護を固めた他の3人に対し、ブリーフ一枚の来栖。少し足りない振る舞いの来栖を毅(こわし)と呼ばれる男が諭す。チャイムを鳴らし崇の家に押し入る来栖と毅。来栖が父ZQNを両手ナイフで素早く倒し毅がその頭を潰す。階段を駆け登りZQN母の喉にナイフを突き立てた来栖と、バリケードから出てきた崇が対面した。
115話 来栖は崇にナイフを手渡し、母の首の切断を命じた。ためらう崇を、毅の受け売りのセリフで説得しようとして言葉に詰まった来栖は、崇の手を握り仲間宣言をする。感極まり覚悟を決めた崇が母の首へナイフを振り上げた。戸外の二人は、隣の高校生ZQNの立てた物音に集まってきたZQNたちを待ち迎える。
116話 崇が身支度をする間にも、物音を聞きつけ近所から続々集まってくるZQN。毅がトランシーバで何者かに援護を頼んだ。一行が仲間識別用の反射テープを腕に巻き外に出る。襲い掛かってくるZQNの頭を、暗闇から飛んできた矢が次々と射抜いた。自転車に跨った毅は「世界を変えるぞ」と、崇に同乗をうながした。
117話 自転車はみな別方向に走り出した。崇を乗せた毅が「バラバラに逃げるのが鉄則だ」と理由を告げる。ボウガンの射手は射続け、さらにロケット花火を打ち上げてZQNを攪乱した。毅と崇の自転車は未明の闇を走り続け、町のはずれの橋の下に身を潜める。ZQNの活動の鈍るという夜明けを待つ作戦だった。
118話 イジメを受けた頃の悪夢にうなされる崇を毅が起こした。夜明けだった。川には累々と死体が浮かび異臭を放つ。基地を目指し、薄明の街道を再び二人乗りの自転車が走り出した。上半身だけのZQNに遭遇し毅が退治する。自分をいじめた連中に似たそのヤンキー風ZQNに心乱す崇。到着した「基地」はごく普通の民家だった。
119話 二人はトランシーバで、しりとりによる感染テストを受けさせられる。毅に続いて崇も、散々噛みながらも合格。電柱を登り二階の窓から「基地」に入ると、出迎えたのは制服姿の男女。毅と崇は手錠をかけられバスルームに3時間閉じ込められる。感染してないことを確かめるための、毅自身の作ったルールだった。
120話 朝。水田に累々と浮かぶ死体。「通勤・通学」を始めるZQN達。基地前の小屋で見張る番兵。双眼鏡で観察する制服男女の春樹と城(キズキ)。3時間が経過し毅と崇は拘束を解かれた。年配の苫米地と「おばちゃん」が登場。オカズ無しごはんを渡され自己紹介した崇は、自分を救援に来た一員ダニエリの死を知り固まる。
121話 食べ終わった来栖は部屋に。崇の箸は進まない。電気を心配するおばちゃん。見張り小屋の「羽生」とは無線ゲーム機でチャット。比較的冷静かつ楽観的に分析する苫米地はモール全滅をメールで把握していた。春樹と城は外の状況が理解できない様子。毅は新しい世界の到来を期待する。2階の来栖は女の膝枕で寝る。
122話 食事のあと、苫米地と崇は2階のベランダに身をひそめつつ路上を観察する。ZQNの生態を語り、その行動に法則があると主張する苫米地。そして隣の家にZQNを飼っていると告げられ、崇は驚く。屋根伝いに二階から隣の家に入る二人。一階に降りると、居間の中央に後ろ手に手錠をされ、厳重に縛られたZQNがいた。
123話 U字ロックとロープで厳重に縛られていたのは若い女ZQN。苫米地の指示で隆が胸に触ると女ZQNは反応を見せた。女性としての機能もまだあると言う。心臓、呼吸の止まっていることが確認された。台所ではキズキとおばちゃんが料理をしている。突然苫米地の無線機が鳴った。関東局のコールサインが告げられる。
124話  週刊スピリッツ No.44号(2012年10月01日発売号)掲載予定
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